追い抜くのに必要なのは「速度差」トライアスロンで前に出やすい種目、出辛い種目はどれだろうか。

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皆さんこんにちは!
気づけばもう11月。朝晩はかなり冷え込んで来ましたね。
日中もハードな練習以外では汗をかかなくなってきましたし…次のレース、マレーシアなんですけど。暑さ大丈夫かな…。

という感じで次のレースへ向けて練習すると同時に、今年一年のレースを振り返って、足りない部分を強化しています。
今年一年は色んなところ行ったなぁと。その中で共通して言えることは

・スイムで出遅れる(スタート直後が上手くいかない)
・バイク後のランが走れない

大きくこの2点かもしれません。
この2つのうち、早急な対策が必要なのがスイムのスタート問題!ということで、ここの所試行錯誤しながら取り組んでいます。
トライアスロンを始める前から水泳には触れてきていたので、「まさかスイムが課題になるときが来るとは…」といった感じです。

そもそも、なんでそんなにスイムのスタートを重視するのか?という話なのですが、これはスイムの速度というか、前の人を追い抜くのにかかる労力に関係してます。
前の人を追い抜く時、必要になってくるのはその人と自分との「速度差」です。

人一人分のスペースがだいたい2mくらいだとして、そこを何秒で通過できるのか?というのが、問題になってきます。
エリート男子のだいたいのレースタイムとして、スイム1500m17分、バイク40km55分、ラン10km30分で計算してみましょう。

で、比較対象どうするか悩んだのですが、「人間がその種目で出し得る最大スピード」という事で、それぞれの種目のだいたい30分の1の距離(スイムがこれ以下の記録なかった)【スイム50m、バイク1km、ラン400m】の世界記録と比較してみる事にしました。

世界記録
スイム 50m 20”91≒8.57km/h  
バイク 1km 53”303≒67.92km/h 
ラン  400m 43”03≒33.49km/h

レースタイム
スイム 1500m 17分≒5.29km/h
バイク 40km  55分≒43.63km/h
ラン  10km  30分=20km/h

「一人の人間を追い抜く」という条件は一致しているので、このまま時速の差をそれぞれ比較してみます。


スイム 3.28km/h
バイク 24.29km/h
ラン  13.49km/h

すると、バイク、ランに比べてスイムの速度差が圧倒的に少ない事がわかりますね。
つまり、世界最速の力を持ってしても、それだけ一人の人間を追い抜くのに掛かる時間が長くなるというわけです。
世界記録と比べてこうなのですから、レース中はもっとでしょうね。

と、言うわけでスイムは他の2種目と比べて人を追い抜くのが大変だということがわかりました。
「で、それがなんだって言うんだってばよ。🍥」

って事なんですが、トライアスロンにおけるスイムは、他の2種目と決定的に違う点があります。
それは、「全員が横一線で同時にスタートする事」です。
バイクやランは、展開によってスタートの時点で前後に人が居る事になるのですが、スイムは違います。
必ず全員が横一線で同時にスタートします。
唯一、「人を追い抜かなくても前に出られる」種目なんです。

となると、わざわざ労力のかかる追い抜きをするよりも、スタートの時点で前に出てしまった方が楽でいいですよね。って話なんです。

まとめてみれば当たり前の話。というか、トライアスロンをやってると感覚的に理解できる話なのですが、改めて言語化すると余計にスイムで後手に回る事は、戦略的に下がるわけではない限り、ただリスクを高めるだけなのですね。
というわけで、ここからスピードで瞬時に前に出るのか、持久力で相手が諦めるのを待つのかは、それぞれの選手の特性次第ということで。

ラストレースまで残り3週間!
2022年シーズンという長い長い旅の果て。
終着地マレーシアで咲くのは満面の笑みか、泣き顔か。
皆様応援お願いします!!

それでは!